こんにちは。フードケアの高橋です。
老人ホームで提供される食事の中で、行事食だけはいつもよりお召し上がりになる方が多いというお声を聞くことがあります。
ただ行事食は、準備や食事に時間がかかってしまい、頻繁に取組むことは難しいですよね?
そこで今回は、簡単に作れる昔懐かしの喫茶店レシピをご紹介いたします!
行事食以外で非日常な空間を楽しむのはいかがでしょうか?
この記事では、
・温かいグラタンのゼリー
・炭酸が残ったとろみ調整食品入りのクリームソーダ
などの喫茶店で提供されるようなレシピを介護食にアレンジしてご紹介しています。
レシピが皆様のお役に立つことができたら幸いです。
①あつあつ!おいしい!マカロニグラタンゼリー
※写真はガスバーナーで炙って、粉チーズをかけて焦げ目をつけています。
特長
・温かいゼリーです
あつあつなグラタンを楽しんでほしい。
そんな想いに応えたレシピです。
ゼリーは冷たいものが多いですが、スベラカーゼを使用すると温かいゼリーが提供できます。
・加水が少ない分、栄養価が高いです
スベラカーゼにはでんぷん分解酵素が含まれているため、加水量を多く増やすことなく、ミキサーにかけることができます。
材料(1人分)
マカロニグラタン(冷凍) | 150g |
水 | 50g |
スベラカーゼ | 3g |
作り方
1.スベラカーゼと水をミキサーに入れ、30秒程度攪拌します。
2.1にマカロニグラタンを加え、1分以上攪拌します。
3.2を鍋などへ移し、中心温度が80℃以上になるまで加熱します。
4.グラタン皿に入れ、70℃以下になったら完成です。
・スベラカーゼは水と先に混ぜてから、カルシウムを多く含む食材と混ぜてください
→スベラカーゼは、牛乳などカルシウムを多く含む食材と相性が悪く、不均一なゼリーになることがあります。そのため、先に水とスベラカーゼを混ぜてください。
・ガスバーナーで炙ることでよりグラタンの風味が強くなります
→グラタンゼリーの上に粉チーズまたはマヨネーズを塗って、ガスバーナーで炙るとより焦げ目がきれいにつきやすいです。
ただし、ゼリー表面が通常よりもかたく仕上がるため、ご利用者様の状態をご確認の上ご提供ください。
②微炭酸が残る!とろみクリームソーダ
特長
・工程は多いですが、工程の1つ1つはとても簡単です!
基本的に『混ぜる』・『のせる』だけのレシピなので、とても簡単に作ることができます。
・氷もトッピングのアイスも溶けてもOK!
氷にはとろみ調整食品が入っており、アイスはゼリーを溶かしたものだからこそ、溶けても安定してお召し上がり頂けます。
※なぜアイスが溶けたらダメなのか知りたい方はこちらから
・かき氷シロップで作るので、味や色のバリエーションが豊富です
かき氷シロップは色とりどりで、混ぜる時に変えられるので、ご利用者のご希望の味に変更されても楽しいのではないでしょうか?
材料(1人分 : 写真の1/2量で作成しています)
<とろみ氷>
水 | 50ml |
ネオハイトロミールⅢ(A) | 0.5g(中間のとろみ程度) |
<エプリッチアイス>
エプリッチゼリー(プレーン) | 73 g(1/3 本) |
<とろみメロンソーダ>
炭酸水 | 80 ml |
かき氷シロップ(メロン風味) | 20 g |
ネオハイトロミールⅢ(B) | 1 g(中間のとろみ程度) |
作り方
1.とろみ氷を作る
①水にネオハイトロミールⅢ(A)を加えながら、20~30秒かき混ぜます。
②製氷皿(アイストレー)に移し、凍らせます。
2. エプリッチアイスを作る
①溶かして液状にしたエプリッチゼリーを容器に入れ、粗熱を取った後、冷蔵庫に約6時間以上入れて凍らせます。
3.とろみメロンソーダを作る
①炭酸水1/2量(40 ml)とかき氷シロップを混ぜ合わせます。
②①にネオハイトロミールⅢ(B)を加えながら、20~30秒かき混ぜます。
③とろみがついてきた頃に残りの炭酸水を加え、全体をなじませるようにかき混ぜます。
4.とろみクリームソーダをつくる
①グラスにとろみ氷を入れ、とろみメロンソーダを加えます。
②少し常温に置いておいたエプリッチアイスを①にのせて完成です。
・とろみ氷は大きめの製氷皿で作るのがおすすめです
→とろみ氷が小さいと、エプリッチアイスが沈んでしまうので、大量の氷を入れなければアイスを安定して載せることができません。
大きめな氷を重ねて入れるようにして下さい。
・エプリッチアイスは常温に少し置いて、やわらかくなった頃にディッシャーなどですくいましょう
→エプリッチアイスは冷凍庫から出したばかりだと非常にかたいです。
そのため、常温に少し置いてやわらかくなった頃にすくうようにして下さい。
③炭酸の清涼感が残る!クリームソーダゼリー
特長
・常食の方から摂食嚥下に問題がある方にも提供しやすいゼリー
まぜてもジュレという、離水がなく、かき混ぜても物性が変わりにくいゼリーの素を使用したレシピです。
炭酸水を使用した特有の清涼感を感じられるゼリーになっているので、常食の方を含めた全体のおやつとしてご提供いただけるはずです。
・かき氷シロップで作るので、味や色のバリエーションが豊富です
かき氷シロップは色とりどりで、混ぜる時に変えられるので、ご利用者のご希望の味に変更されても楽しいのではないでしょうか?
材料(1人分 : 写真の1/2量で作成しています)
<エプリッチゼリーアイス>
エプリッチゼリー(プレーン) | 73 g(1/3 本) |
<とろみイチゴソーダ>
水 | 50ml |
炭酸水 | 30 ml |
かき氷シロップ(イチゴ風味) | 20 g |
まぜてもジュレ(お茶用) | 5g(全体量に対して5%) |
作り方
1. エプリッチゼリーアイスを作る
①溶かして液状にしたエプリッチゼリーを容器に入れ、粗熱を取った後、冷蔵庫に約6時間以上入れて凍らせます。
2.イチゴソーダゼリーを作る
①80℃以上のお湯にまぜてもジュレ(お茶用)を加え、よく溶かします。
③炭酸水とかき氷シロップを混ぜ合わせたものに①を加えてよく混ぜます。
④容器に移し、冷蔵庫で3時間程度冷やし固めます。
3.クリームソーダゼリーを作る
エプリッチアイスを冷やし固めたイチゴソーダゼリーにのせて完成です。
・炭酸を残すには、常温の炭酸水の使用と混ぜすぎに注意しましょう
→2.イチゴゼリーをつくる工程の②の際、混ぜすぎてしまうと炭酸の清涼感がないゼリーに仕上がります。
☆常温の炭酸水を使用すること
☆炭酸水とかき氷シロップを混ぜ合わせた液をゆっくり入れること
以上に注意して、作ってみてください。
・土台のソーダ部分がゼリーなので、エプリッチアイスが沈みにくいです
→ソーダの上に、エプリッチアイスをのせるだけできれいに仕上がります。
・エプリッチアイスは常温に少し置いて、やわらかくなった頃にディッシャーなどですくいましょう
→エプリッチアイスは冷凍庫から出したばかりだと非常にかたいです。
そのため、常温に少し置いてやわらかくなった頃にすくうようにして下さい。
さいごに
レシピはいかがでしたか?
コーヒーを入れると香りも相まって、さらに喫茶店の雰囲気が増すのではないでしょうか。
常食の方でも楽しめるレシピばかりですので、施設の皆様で喫茶店のような時間をお楽しみください。
作り方も簡単なので、是非一度お試しください!
(編集:高橋 画像編集:久保埜 レシピ・撮影:大谷、柏木、宮増)
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